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コーヒー豆の教え

30分で書いた、かかおんにお題をもらった短編。
ポケノベ企画に投稿。
しかし黒歴史確定。

企画に投稿したのと違い、オチをつけました。

 ダメだ、とてもじゃないが間に合わない。
 三時から用事があって出かけなくてはいけないので小説を三時までに書ききらないといけない。
 しかし先ほどからにらみ合いをしているパソコンの右下を見ると「14:25」と表示されていた。
 眼前の無題とタイトルの書かれたメモ帳には何一つ文字が表示されず、いや。ファイルとか編集とかは書かれてるか。まあ肝心なメモ帳の中身は一切ない。
 時たま適当にキーボードを押しっぱなしにしてはESCを押したりと半ば諦めていた。
 別に誰かに怒らるわけでもないし、書かないと言えど義務でもない。義理だ。そういえば去年は義理チョコもらってない。一昨年はもらったのに。言わずもがな本命も。
 ってそんなこと考えてる暇あったらなんか書かないと……。
 イライラが巻き起こる。台風11号は今発生した。そんな中風速四十メートル毎秒の台風に突っ込んでくる人がいた。
 前言撤回。最後の四文字の部分を撤回する。
「何をそんなにイライラしておる」
 俺の目の前には何も現れなかった。何も現れない割には声がする。
 辺りをキョロキョロするも、何も見当たらないし見つからない。余計イライラする。
「ここじゃよここ」
「どこだよそこ」
「ここ!」
「どこ!」
「ここ!」
「だからどこ!」
「こーこ!」
 いやいやいや。本当にどこだよそこ辺りを見渡しても人陰がまるでない。俺以外の。
「固定観念にとらわれてはいかんぞ。皿のそばを見てみるんじゃ」
「コーヒー豆こんなところに落ちてるな。捨てるか」
「まっ、待て待て!」
「このコーヒー豆がなにか」
「それがワシじゃよワシ」
「そうか」
 俺はそう言いつつコーヒー豆をゴミ箱へ向かって投げる。が、外れる。投げるものが小さいと当たりにくいよね。野球したくなってきた。二学期なったら友達にパワプロ借りようか。そんな雑念も次の声によって掻き消される。
「痛い!」
「は?」
 思わず間抜けな声をあげてしまう。
「まさかコーヒー豆が……。そんな小学生でも考えねーよ」
「だから固定観念にとらわれてはいかんぞと言ったじゃろ!」
「確かに言ったが固定観念なくても無理だろ」
 仕方なくコーヒー豆を拾い上げる。屈伸運動は頭が揺れて辛い。
「そんで何の用だ」
 ふと時計をみると「14:43」を表示していた。当初の目的を思い返す。三時までに小説書くのは無理だな。
「おぬし、小説を書こうとして悩んでおるな?」
「その悩みも今ふっ切った。俺は諦める」
「悔しくないのか?」
「こないだ懸賞応募したのに当たらなかったのは悔しかったな」
「……」
 コーヒー豆が口をつむぐとつられてしまう。ってこの時間がもったいない。わずかの沈黙を先に打ち破ったのはコーヒー豆のほうだった。
「なっとらん!」
 コーヒー豆の出す声量かよ。うちの担任が怒鳴る声なんて目じゃねぇ。
「な、何がだよ」
「それがおぬしの小説に対する姿勢か!?」
「どこに関連性があるんだよ」
「そんななんでもかんでもめんどくさくなって諦めるのか!?」
 心当たりが多くて何も言えない。しかし悔しさと小説に対する姿勢の関連性はまだ見当たらない。
「本心はおぬしも悔しいはずじゃ。どうして書けないんだと。だが適当な理由をつけてほいほい放棄しておる」
 何が言いたいか全く分からん。
「わしがみっちり小説の書き方を教えてやる」
 現在時刻を確認すると「14:50」と表示されていた。俺は隣で騒ぐコーヒー豆の話を聞かなくてはいけないと思うとなんかもうどうでもよくなってきた。
 コーヒー豆がなんやかんや言ってるのを無視してつまむと、ベランダに出て遠くへ投げ捨てる。高層マンションの十一階から投げるととてもじゃないが戻ってこれないだろう。
 もう二時五十五分か。出かける準備をするとしよう。
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[ 2009/09/02 17:00 ] 小説 | TB(0) | CM(0)
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